内定なのに気分が沈む。誰にでも起こりうる「内定ブルー」の原因と解消法を分析。

転職の内定ブルーはなぜ起こる？ 入社前に感じる不安の原因と解消法

内定承諾後、入社を控えた時期に起こる内定ブルー（転職ブルー）。新たなキャリアのスタートを目前にして、強い不安感に悩まされる人は多い。その原因から具体的な対策まで解説していく。

内定ブルーとは？ 経験者も多い「転職先が決まったのに気分が沈む…」現象

内定ブルーとは、企業から内定を得て入社を決めた後に不安を感じたり気分が落ち込んだりすること。「本当にこの決断で良いのか」という漠然とした不安や、「もっと良い企業があるのでは」という欲が生じ、憂鬱な気分になる状態をいう。

この心理状態とうまく向き合えず、一時的な感情に流されて入社を辞退し後悔した経験を持つ人も少なくない。「せっかく掴んだチャンスを自ら手放してしまった」と後悔しないために、内定ブルーに陥る原因や適切な予防・対処法を理解しておきたい。

誰にでも起こりうる内定ブルー。その原因と正体、必要な心構えは？

内定ブルーの原因は、企業への理解度や内定承諾の納得感が低いことが主となるケースが多い。
転職先企業や転職後の業務に関する理解度が低いと、入社が決まったにもかかわらずリアルに働くイメージが持てず、漠然とした不安に陥りやすい。他社との比較検討が不十分であったり企業選びに妥協した感覚があったりと、内定承諾先に対して「この企業だから入社を決めた」という納得感が低い場合も、迷いや不安につながりやすい。

特に内定承諾後は、忙しい転職活動の日々を終え立ち止まって考える時間の余裕ができるため、このような迷いや不安が生じやすくなる。他の企業への選択肢がなくなったことや、この先引き返せなくなるのではないかという考えなども不安を煽る一因となり、不安が雪だるま式に膨らんでいく。これが、内定ブルーの正体である。

覚えておきたいのは、このような心理状態は誰にでも起こりうるということ。
入社前から転職先企業のすべてを把握することは不可能であり、大半のことは実際に入社してみなければ分からない。入社前に不安を感じるのは当然のことで、決して悪いことではない。過度に思いつめず、「不安になって当たり前」という心構えで内定ブルーと上手に向き合ってほしい。

内定ブルーのセルフケア。発生予防のポイントと不安感を和らげる対処法

前述の通り、内定ブルーは誰にでも起こる可能性がある。しかし、転職活動の進め方や入社までの期間の使い方で回避や軽減することもできる。大きく2つのポイントを解説する。

発生を予防する「転職活動」

複数の企業へ応募し、比較しながら広く転職活動を行う。

1社に絞らず複数社を比較しながら同時並行で転職活動を進めることで、自身が重視するポイントや選択の基準などが明確になる。いざ内定が出た際も「その企業のどこに惹かれたのか」「自分がなにを優先したのか」がはっきりしていれば納得して内定承諾ができるはず。それまで他社と比べながら進めてきた結果選んだ企業であること自体も内定承諾の決断に自信を与え、その後の迷いや不安の回避につながる。

不安感を和らげる「入社準備」

入社までに準備・勉強しておくべき内容を人事担当者に確認し取り組む。

内定ブルーに陥った際に大切なことは、不安の解像度を上げること。漠然とした状態のままでは適切な対策を講じることはできない。転職先企業の人事担当者に確認して企業や業務に沿う入社準備に取り組むことで、ある程度具体的な入社後のイメージができ、自身がどのような点に不安を感じているのかも分析しやすくなる。それにより、例えば「仕事についていけるか心配」という不安であれば業務知識を予習しておくなど、有効な対処法も見えてくるだろう。

以上を参考に内定ブルーを乗り越え、新たなキャリアに備えてほしい。