2021年10月15日

シニア活躍社会に突入。

人生100年時代、シニア活躍社会で若手世代がともに成長するための備え

人生100年時代を迎え深刻化する労働力不足を背景に、シニア世代の活躍が期待される昨今。

シニア採用市場はさらなる活性化が予測され、今20代の若手世代は今後、シニア世代の同僚や部下を持ち、肩を並べて働く機会も増えていくだろう。

それによる若手世代の成長の遅れ・活躍する機会の減少などを危惧する声も上がる中、社会や環境の変化に飲まれず成長していくために、20代の若手世代にはどのような働き方が必要となるのだろうか。

20代～40代が「働くシニア世代」に抱くイメージ、若手世代のホンネとは

近年の「高年齢者雇用安定法」改正などにより、シニア世代活躍の場は今まさに着々と増えつつある。

当媒体運営会社・株式会社ワークポートが全国の転職希望者に実施した「働くシニア世代」のイメージに関するアンケートでも、若手世代の対象者のうち約9割がシニア世代と一緒に働いた経験があると回答した。
（※同調査では、50歳以上をシニア世代、20代～40代を若手世代と称している）

さらにそのうち7割以上が、シニア世代を「尊敬できる」存在と回答しており、「マニュアルではなく経験則から答えを聞ける」「余裕がありとても仕事をしやすい」「若い人にはない意見を聞ける」など多くのメリットが挙げられた。

その他、今後シニア世代を積極採用する企業は「増えると思う」という意見が6割以上、シニア世代を積極採用する企業へのイメージは「良い」が8割近く、定年制の廃止についても「賛成」派が8割近くにのぼるなど、同調査の結果からは、若手世代の働き手たちがシニア活躍社会をポジティブに捉えている様子が読み取れた。

シニア活躍社会の実現に立ちはだかる課題。社員の満足度にも影響

前述の通り、シニア活躍社会はおおよそポジティブに捉えられているものの、実際のところその実現における課題は少なくない。

具体的には、以下のような課題が挙げられる。
・ジェネレーションギャップ
・変化の激しいITへの対応
・体力低下や健康面の不安
・能力に見合った給与や評価

中でもジェネレーションギャップはシニア活躍社会において当然起こりうる問題であり、場合によっては職場環境や業務遂行、仕事満足度などにマイナスの影響を与える可能性も考えられる。

実際に同調査でも、シニア世代と一緒に働くデメリットとして「昔の常識を若い世代に押しつけることがある」「世代間の常識や考え方の違いで、互いに悪気はなくても上手くいかないときがある」といった声が挙がった。

価値観のギャップをプラスに！世代の壁を越えるために必要な3つの心構え

では、不可抗力的にジェネレーションギャップが起こりうる職場環境で、世代の壁を乗り越えるにはどうすればよいか。
互いに高め合って協働していくために意識すべき3つのポイントを紹介する。

【1】価値観が異なることを前提としたコミュニケーション
20代の若手世代は特に、親や祖父母ほど歳の離れた相手が同僚や部下となった場合、常識や考え方など、価値観のズレを実感しやすいだろう。
しかし、そもそもそれだけ歳が離れていれば価値観にズレがあるのは当然のこと。必要なのはギャップを生まない努力ではなく、ギャップがあるという前提でのコミュニケーションを心掛けることである。

【2】意見ややり方の違いをプラスに働かせる環境づくり
自分の意見ややり方に固執しすぎない柔軟性も必要。互いが相手を尊重し「違って当たり前」という前提で意見交換をして、よいものを取り入れるといった、価値観の違いをプラスに働かせるような環境づくりをしていくことが重要。

【3】フォローし合って互いのパフォーマンスを向上
どちらかに負担が偏るような働き方ではなく、互いがよいパフォーマンスを発揮するために教え合い、補い合うことを念頭に置いておくとよい。
最新のトレンドやITに関する業務など、シニア世代が苦手とする部分はフォローし、シニア世代が得意とする部分は頼って助けてもらう。社内外の人脈や、豊富な経験によるマニュアル外のノウハウなど、シニア世代が相手だからこそ学べることは多くあるだろう。

20代の若手世代にとって、シニア活躍社会の実現は決して他人事ではない。
シニア世代とともに高め合って協働することで、20代の若手世代にこそ「シニア活躍社会」という環境を成長の糧としてほしい。
※出典：2019年12月10日転職希望者のホンネ調査（株式会社ワークポート）https://www.workport.co.jp/corporate/news/detail/701.html