ITコンサルタントという第3の選択肢。その圧倒的な市場価値と年収とは

IT業界のキャリアパスでは、SE・プログラマとしてスタートしたのち大きく2つの道に分かれキャリアアップしていくのが一般的と言われている。
ITアーキテクトなどの高度SEやIT技術スペシャリストといった特定技術を極める「専門職」の道、プロジェクトマネージャなどマネジメントをする立場となる「管理職」の道である。

実際に同調査の「職種別の年収平均とスキル標準レベル」グラフによると、各SE・プログラマ職に比べ、プロジェクトマネージャや高度SE・ITエンジニア、IT技術スペシャリストといった「専門職」「管理職」に該当する職種はスキル標準レベルとともに平均年収も大きくアップしていることが分かる。
なおスキル標準レベルとは、同調査において職種ごとの能力水準を明確化・体系化した指標として、7段階に分類されたものである。

中でもプロジェクトマネージャは平均年収891.5万円と、これらの選択肢の中では飛び抜けて高い給与水準であることから、一般的なエンジニアのキャリアパスにおいては「管理職」を目指す選択が年収アップを狙いやすいことが分かる。

そしてここでさらに注目したいのが、第3の選択肢。プロジェクトマネージャの平均年収をさらに上回り、「専門職」と「管理職」両方の側面を持つ「コンサルタント」という道である。

IT業界におけるコンサルタントの役割は、ITを活用し企業の経営課題を解決することである。
IT戦略の策定から実現までを担うことから実務内容は多岐にわたり、企画や要件定義などを行なう「専門職」的要素と、プロジェクトの進捗管理や意思決定の支援などを行なう「管理職」的要素、両方の側面を併せ持っている。
しかし、経営にまで関与するという業務領域、そしてそれによりITスキルのみならず経営的視点を要するという点からも、それらの職種とは一線を画す存在である。

コンサルタントのスキルレベルの平均値は「専門職」や「管理職」とほぼ同等でありながら、平均年収は928.5万円と唯一900万円台に達し、最も高水準となっている。

その背景には、IT技術革新の加速や企業課題の複雑化などにより、専門性の高いコンサルティングサービスのニーズ・市場が拡大し続けていることがある。
さらに近年では、DX（デジタルトランスフォーメーション）への関心やニーズが爆発的に高まっていることから、その需要や活躍の場は益々広がりを見せている。
このことからも、ITコンサルタントの将来性は極めて明るいと言えるだろう。

勿論、需要や年収に相応の高い要求に応えていかなければならないため、深いIT知識や経営的視点以外にも、論理的思考力やコミュニケーション能力など、求められるものは多くある。
しかし既にベーススキルを培いキャリアアップを考えるに至ったエンジニアにとって、身につけたITスキルを土台にコンサルタントを目指すことは決して無理なキャリアプランではないだろう。

既に独り立ちし、ある程度の経験やスキルを重ねてきたエンジニアにおいては、年収アップ且つ将来性も考慮したキャリアの方向性として、「コンサルタント」という選択肢を視野に入れてみてはいかがだろうか。