2021年2月26日

ハイキャリアという選択肢

「これから」を考える20代のためのハイキャリア徹底解剖。

コロナ禍においても売り手市場が続く転職市場。
更に今後、新卒採用の2021年問題により中途採用枠の拡大が見込まれ、人材獲得競争の激化が予想されている。

こうした状況を転職の好機と捉え、所謂「ハイキャリア」への転身を考える若者も少なくはない。
今回は、昨今の転職市場において益々注目度を上げるこの「ハイキャリア」について紐解いていく。

社会における真の「ハイキャリア」の定義とは。

そもそもこの「ハイキャリア」という言葉、昨今では随分と身近な存在になっているが、実のところこれには明確な定義が存在していない。

一般的には、優れた経歴を持つ人の総称として使われるケースが多く、特徴としては、高い学歴や職歴などが挙げられる。

しかし「キャリア」という言葉は社会において広い意味を持っており、経歴だけを指す言葉ではないのが通例。社会における「ハイキャリア」も当然、ただ「高い経歴」を指す言葉ではないと言えるだろう。

即ち、偏差値の高い有名大学を出た、一流企業に勤めた、といった経歴は「ハイキャリアと成り得る要因の一つ」ではあっても、それによって必ずしも「＝ハイキャリア人材」とはならない。

それならば何を以って「ハイキャリア」と定義づけるのか。これは、逆の視点から考えていくと簡明になる。

まず「ハイキャリア」に与えられるものはなにか。勿論、企業や職種、レベル等によって異なるが、役職や肩書き、高年収、裁量権など、通常に比べてハイクラスな労働条件であるケースが多い。

次に、なぜそれらが与えられるか。これは、その高い条件や特権に値するだけの期待や責任が伴うことが理由であり、それを任せるに相応しいと判断された結果である。

では、どうやって相応しいと判断するか。判断には根拠が必要であり、実績・スキル・資格・専門性など、具体的に示せる能力がそれにあたる。
よって判断材料は、社会や企業にとって需要の高い能力を持っているかどうか、ということになる。

つまり、ハイキャリアを定義づける基準は、人材の「市場価値」であると言える。

20代がこれから理想のハイキャリアを手に入れる方法。

ハイキャリアの基準が市場価値によるとすれば、今「ハイキャリアではない」という自己評価をしている人も、これから市場価値を上げ、ハイキャリアを目指すことが可能となる。
そのための有効な手段の一つとして「転職」が挙げられる。

とは言え転職によってすぐにハイキャリアとなることは難しい。
前述した通り、特権は相応しい人材に与えられる。入社後すぐに高い年収やポジションを得られる条件で採用活動を行う企業が求めているのは、それに見合う能力を持つ「既にハイキャリアの人材」。

では、これからハイキャリアとなっていくためには、何から始めれば良いか。
最初に必要となるのは、スタート地点に立つこと。ハイキャリアを目指せる環境に、まずは身を投じる必要がある。
その際、この先どのようなハイキャリア人材を目指すのか、自身のキャリアビジョンを設定しておくことが重要となる。

「スキルを磨いて専門性を高めたい」
「大きな裁量権を持って仕事の幅を広げたい」
「ポジションを上げていずれは独立したい」
「収入を上げて生活レベルを上げたい」
など、何を重視し、どのようなキャリアを積んでいきたいのか、しっかりと考えておくことをお勧めする。

そこからハイクラスになるためのキャリアをスタートさせ、経験や実績を積み、スキルや年収を上げ、自身の能力を高めていく。
更に、その先の選択肢も一様ではない。勿論、同じ企業で長くキャリアを重ねることも可能だが、経験やスキルを積んだ上でより高いレベルを求めるなら、再び転職して次の新たなステージを選ぶこともできる。

そうして自身のキャリアをデザインし、市場価値を磨き上げていくことで、自身が目指す理想の「ハイキャリア」というステータスを得ることができるだろう。