2019年9月12日

驚愕!給与アップのはずが給与ダウン?!意外な落とし穴とは…

近年、大手企業を中心に脱終身雇用宣言がされ、「終身雇用制度の崩壊」が叫ばれています。その影響もあり、今や「転職は当たり前」となり、転職に対する心理的ハードルも下がってきているといえます。しかしその傍らで、目先のことしか考えずに安易な転職を繰り返してしまう人も残念ながら増えてきています。
さて、そんな安易な転職のなかでも、実は目先の給与アップだけにとらわれて転職を繰り返すことが“最も危険な行為”であることを知っていますか?給与アップのために転職したはずが、実際には長期的に見ると年収がダウンしている!といった落とし穴にはまってしまうケースがあるのです。

長期的な給与アップを意識した上で、失敗のない転職をするためにはどうするべきなのか、20代のみなさんには今回の記事を読んで慎重に検討してほしいと思います。

驚愕!給与アップのはずが給与ダウン?!意外な落とし穴とは…
20代の転職理由は?
はじめに20代の転職理由、上位3位を見ていきましょう。

20 〜 24 歳の転職理由

  • 1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
  • 2. 給与等収入が少なかった
  • 3. 仕事の内容に興味を持てなかった

25 〜 29 歳の転職理由

  • 1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
  • 2. 会社の将来が不安だった
  • 3. 給与等収入が少なかった

出典:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果の概況」

上記のデータから20代前半・後半ともに、給与に関する不満が理由で転職をする人が多いことがうかがえます。
20代の平均年収は?
年収アップを考える20代が多いことは分かりました。では、20代の平均年収はどれくらいなのでしょうか。

年齢別平均給与

性別/年齢 20~24歳 25~29歳 30歳~34歳
男性 212万 247万 289万
女性 206万 229万 243万

出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」

上記のグラフから、男女ともに20代〜30代にかけて平均給与が上がっていることがわかります。しかし、この数値はあくまで全体の平均値であるため、企業規模別や産業別の平均年収では少し違いがでてきます。

企業規模別平均年収

男性

年齢/企業規模 大企業 中企業 小企業
20歳~24歳 221万 208万 204万
25歳~29歳 263万 239万 230万
30歳~34歳 319万 276万 262万

女性

年齢/企業規模 大企業 中企業 小企業
20歳~24歳 218万 204万 191万
25歳~29歳 245万 224万 210万
30歳~34歳 263万 239万 219万

主な産業別平均年収

男性

業種/年齢 20歳~24歳 25歳~29歳 30歳~34歳
建設業 224万 257万 302万
製造業 203万 236万 271万
情報通信業 237万 272万 323万
運輸・郵便業 214万 241万 275万
卸売・小売業 211万 248万 288万
金融・保険業 228万 281万 384万
宿泊・飲食サービス・娯楽業 196万 228万 258万
教育・学習支援業 219万 264万 328万
医療・福祉 216万 254万 290万

女性

業種/年齢 20歳~24歳 25歳~29歳 30歳~34歳
建設業 222万 233万 242万
製造業 185万 208万 215万
情報通信業 231万 257万 294万
運輸・郵便業 204万 227万 233万
卸売・小売業 198万 220万 236万
金融・保険業 210万 236万 263万
宿泊・飲食サービス・娯楽業 187万 204万 216万
教育・学習支援業 206万 238万 268万
医療・福祉 218万 241万 251万

出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」

上記のグラフからわかるように、企業規模や産業によって平均年収は違いますし、年収の上がり幅も変わってきます。特に金融・保険業の男性は給与の上がり幅が大きくなっているのがわかります。20代前半では他産業と比較しても給与にあまり差が見られませんが、30代になると全産業の中でトップの平均年収となります。
たとえば、もし20代前半に年収アップが目的で情報通信業に転職したとしても、30代になるころには他産業の方が年収が高かった!という結果になることもあるのです。このことから、転職の際は長期的な年収の上がり幅にも注目していく必要があることがわかると思います。
福利厚生は年収に大きく関わる?!
年収だけを見て転職することが危険な理由はまだあります。みなさんは企業から提示される月収や年収だけでなく、退職金や各種手当などの福利厚生面を意識して転職先を検討できていますか?20代では、月々の給料や年収が今より良くなることを特に意識して転職する人が多いと言われています。しかし、本来報酬は月収や年収だけでなく福利厚生面すべてを含んだものを指します。ここでは、福利厚生について考えていきましょう。
◎福利厚生とは?
企業の福利厚生は、労務管理の一環として賃金、労働時間などの基本的労働条件を補完する役割をもち、従業員の働く意欲や企業に対する帰属意識を高め、人間関係を良好に保っていくなどの効果があります。(抜粋:厚生労働省)
福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類があります。健康保険や厚生年金保険、雇用保険などは、どの企業にも設けられている法定福利厚生に当たります。今回注目するのは、法定外福利厚生の方です。これは企業が独自に設けている福利厚生のため、企業によって制度が異なります。

ここで、法定外福利厚生がある会社とない会社ではどのような差があるのかを見ていきましょう。
独身の田中さんは、家賃7万円の部屋に住んでいます。
A社は年収300万円。福利厚生は、毎月5万円の住宅補助と昼食を300円で食べられる社員食堂の完備です。
B社は年収400万円。福利厚生はありません。
A社(年収300万)
  • ・家賃7 万円-住宅補助5 万円 =2 万円
  • ・社員食堂で毎食300 円×20 日 = 6,000 円
B社(年収400万)
  • ・家賃7 万円
  • ・外食で毎食700 円×20 日 =14,000 円
田中さんが毎月にかかる家賃と昼食の出費は、
A社: 26,000円 B社: 84,000円

これを1年で換算すると、
A社:312,000円 B社:1,008,000円 となります。
A社とB社の差は696,000円。
年収に100万円の差があっても、実際は約30万円の差になってしまいました。仮にA社が他にも福利厚生があった場合、実際に使えるお金は逆転してしまう可能性が高いことになります。こうしてみると、福利厚生の力って侮れないな…と思いますよね。

独自の制度を設けている企業も多くあります。
下記は実際にある福利厚生の例です。
  • ・お菓子や、ミネラルウォーター、野菜ジュース、缶コーヒーなどの飲料を無償提供
  • ・朝・昼・夕食無料のカフェテリア併設
  • ・引っ越し費用全額負担
  • ・帰省手当て
  • ・資格取得の為の研修費やセミナー費を100%会社負担
  • ・こどもの入園・入学などのライフイベント1回につき10万円支給
  • ・こどもが生まれると30万円支給
  • ・インフルエンザワクチン接種無料
全食無料の福利厚生があれば出費を相当抑えられますね。こどもが生まれたときに補助金が支給される制度も嬉しい福利厚生のひとつです。年収や月収だけにとらわれず、こうした制度もしっかりと見ておくとよいでしょう。
非正規社員の方が稼げる?!
ネットでは、非正規社員の方が稼げる!なんて噂がよく取り上げられています。しかし実際には正社員と非正規社員では、生涯年収に大きく差が出てしまうのが現実です。そもそも非正規社員の方が稼げるという話はどこからきているのでしょうか。これも月収や年収だけを考えた場合に起きる落とし穴のひとつです。
たとえば、派遣会社に登録して時給1,500円の仕事を始めるとします。1日8時間勤務で20日間働いたとすると月給24万円。これを1年続けると単純計算で年収288万円を稼ぐことができます。上で紹介した20代の平均年収を参考にすると、20代前半の小企業で働く女性の平均年収は191万円であることから、小企業で正社員として働く女性より派遣社員の方が稼げるように思えます。しかしこれが何度もお伝えしている落とし穴なのです。
正社員と非正規社員とでは福利厚生に違いはある?
働き方改革の一環で、2020年4月1日から同一労働同一賃金制度が導入されます。これは、同じ職場で同じ仕事をする正社員と、非正規社員との待遇や賃金格差をなくす制度です。この制度が導入されることにより、正社員と非正規社員との間で福利厚生に違いがほとんどなくなるとされています。しかし、中小企業はこの制度が導入されるのが2021年4月からであったり、制度のルールに違反しても罰則がなかったりと、実際に施行されてすぐ社会の流れが変わるかどうかは微妙なところです。また、派遣社員に関しては同じ会社で3年以上働くことができないため、正社員のほうが雇用が安定しているといえます。

ここで、正社員と非正規社員の平均給与について見ていきましょう。
正社員と非正規社員の平均給与
正社員と非正規社員の平均給与

厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」

このデータから、正社員と非正規社員では平均給与に大きく違いがあることがわかります。今後、同一労働同一賃金になった場合に変化があるかもしれませんが、現在はこのような実態があるということをしっかり理解しておく必要があるでしょう。正社員では賞与がついたり、時間外労働や休日出勤の際に特別手当がついたりと様々な場面で基本給以外の給与が支払われるため、平均給与に差がついてしまうのです。やはり年収のみを見ていては、実際に使えるお金がどれくらいなのかはわかりません。雇用形態によってどんな差があるのかは企業ごとに違いが出るため、リサーチが必要です。

ここまで、給与アップだけを目的とした転職のリスクについて説明してきました。せっかく働くなら給与が高いほうが良いと考えるのは当然です。しかし、実際に目に見えている金額だけが手元に残るお金ではないことがわかったと思います。

20代で転職するときは、給与アップだけでなく実現したい目標や希望はないのか考えみるのも良いでしょう。また、とりあえず給与アップを目指すのではなく、長期的に考えた理想のライフプランにはどれくらいのお金が必要なのか逆算することも大切です。目先の給与アップにとらわれるのではなく、まずは企業の福利厚生など情報を収集した上で、転職が必要か、必要ないのかを決めていきましょう!

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